自閉症のテストで3歳とは?
ここでは、「自閉症のテストで3歳」についてお話します。
自閉症(現在は「自閉症スペクトラム」という)という障害を考える上で
「3歳」というのは、大きな節目となります。
それは、自閉症を診断する上で大切な「ウィングの三つ組
(対人関係の特異性、コミュニケーションの質的障害、イマジネーションの質的障害)
の障害」が3歳までに現れるからです。
3歳の子どもで自閉症を疑うとき、どんな検査(テスト)をするの?
かかる医療機関(相談機関)によってどの検査方法を用いるかはまちまちですが、
基本的には発達検査と知能検査の2種類をします。
「自閉症テスト 2歳」でお話したのとほぼ同じです。
1.発達検査
・新版K式発達検査2001
「姿勢・運動領域」「認知・適応領域」「言語・社会領域」の3領域に分けて
数値を出し、発達指数(DQ)を求めます。
DQは100を標準とし100より少ない場合は、
生活年齢より発達が遅いことを意味します。
検査方法は、臨床心理士と1対1で行います。
課題が分かれているので、得意、不得意を見つけやすいのも特徴です。
所要時間30分くらいです。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査
「移動運動」「手の運動」「基本的習慣」「対人関係」「発語」「言語理解」の
6領域で構成されたもので、各機能を分析的に評価できます。
検査方法が簡便で短時間でできるのも特徴です。
結果は折れ線グラフで示され、保護者にもわかりやすく、
同一の検査用紙に検査結果を何回も記入できるので、前回との比較も簡単です。
2.知能検査
・TK式ノンバーバル検査
3歳になっても表出言語が発達していない子どもの発達診断や評価ができるものです。
・田中ビネー知能検査:子どもが興味を示すように検査用具が工夫されています。
日常生活場面で働く知能と学習的な場面で働く知能から知能を測定するものです。
・ウェクスラー式知能検査(WIPPSI)
適用年齢は3歳10ヶ月から7歳1ヶ月です。
この検査は「言語性知能尺度」(知識、数唱、単語、算数、理解、類似)と
「動作性知能尺度」(絵画完成、絵画配列、積み木模様、組み合わせ、符号)があり、
それらを合計して全知能得点とするものです。
これらの検査(テスト)をして自閉症かどうかをみていきます。
検査結果や生育歴から自閉症であるとわかったとしても、
決して悲観することなく「子どもの成長する力」を信じて、
適切な療育を始めていきましょう。